支給決定サポート例

※サポート例掲載にあたってはご本人ご家族より承諾をいただいております。
個人を特定しうるような情報は記載しておりません。

Sさん
「知的障害」
障害基礎年金2級

診断書作成医師への情報提供をサポート

Sさんが20歳になられたのでご両親が障害年金の請求を考えました。

そのためSさんが通っていた就労継続支援A型事業所の主催する障害年金セミナーに参加し(そのセミナーの講師を私が務めました)、そこで、障害年金の請求にあたっては診断書や病歴・就労状況等申立書が重要であることを知りました。

ご両親がSさんのこれまでの状況をまとめようとしましたが、何をどこから始めていいのかわからず、困ってしまいました。
そこで、当事務所に依頼がありました。

Sさんの出生時から現在までの様子について詳細にご両親から聞き取り、それをレポートとしてまとめ、診断書作成医師に情報提供しました。

Sさんもそうでしたが、知的障害の方は精神科のかかりつけ医がない方が多く、そうした方は障害年金の診断書を書いてもらう時だけ受診することになります。
したがって、医師もその方が実際にどのような障害の状態にあるのか把握できないまま診断書を作成せざるを得ないことがあり、その方の実際の状態を反映しないと思われる診断書ができてしまうことがあります。
そのことは特に「一見したところ障害があるとは思われにくい方」に起こりがちな問題です。
そうしたことを避けるためにも医師への情報提供は非常に重要になります。
医師への情報提供がしっかりできるかどうかが、障害年金の支給・不支給を左右すると言っても過言ではないからです。

結果、障害基礎年金2級となりました。

診断書作成医師に適切な情報提供をすることも社労士の役割だと考えます。


Aさん
「高次脳機能障害」
特別障害給付金2級

年金事務所で「保険料納付要件を満たしていない」と言われたケースをサポート

Oさんは30年以上前の大学生時代(22歳時)に交通事故にあいました。
脳挫傷にて一時期意識のない状態が続きましたが、その後、意識も戻られ、身体的にも大きな後遺症は残りませんでした。

しかし、事故後、「コミュニケーションがうまくとれない」「場の空気が読めない」「約束を忘れてしまう」などの面が現れ、上手く社会生活を送ることができず、転職を繰り返していました。

そのため大学病院精神神経科を受診したところ、「高次脳機能障害」との診断を受けました。
大学病院のケースワーカーより障害年金の請求を勧められ、年金事務所に確認したところ、「保険料納付要件を満たしていないので請求できない」と言われました。
Oさんは交通事故にあうまで国民年金保険料を納めていなかったのです。

しかし、あきらめきれず当事務所に相談がありました。

Oさんから話を聞き、交通事故が平成3年3月以前であったことが判明しました。
つまり、事故当時まだ大学生で国民年金に強制加入ではなかったOさんは「特別障害給付金」の対象になることが分かったのです。

事故から30年以上経っており、初診日のある医療機関にはカルテが残っていませんでしたが、幸いなことに当時の主治医と連絡をとることができ、その先生に初診日を証明するための「第三者証明」を書いてもらうことができました。
また、図書館のマイクロフィルムに交通事故の新聞記事が残っていたのを探し当て、それも初診日を証明する資料として提出しました。

結果、特別障害給付金2級を受給することができました。

あきらめずに「障害年金専門の社労士に相談する」という選択肢を持つことで別の可能性が生まれることを実感したケースでした。


Pさん
「悪性リンパ腫」
障害厚生年金3級

一旦はご本人が請求し不支給となったケースをサポート

Pさんは一度ご自身で障害年金の請求を行いました。
請求は遡及請求でした。
年金事務所に何度も通い、必要な書類をやっとの思いでなんとかそろえ提出しました。

しかし、結果は「不支給」となりました。

障害認定日前後にちょうどがんの再発が明らかとなり、その後、抗がん剤治療や造血幹細胞移植手術を行いました。
抗がん剤の副作用による倦怠感が強く、仕事ができないことはもちろん日常生活にも多大な支障をきたす状態でした。
その後なんとか回復し、アルバイトではありましたが、働くこともできるようになりました。

障害認定日直後は抗がん剤治療により働ける状態にはなく、また、請求日時点でも働いてはいたものの、疲れやすさなどのため発症前のように正社員として勤務することはできず、最低賃金ぎりぎりのアルバイトでしか働くことができませんでした。

「少なくとも障害厚生年金3級を受けられるのでは」そう思ってご自身で請求しましたが、結果は、障害認定日および請求日ともに「障害の状態に該当しない」との理由で「不支給」となりました。

納得がいかず、当事務所に相談がありました。

診断書のコピーを確認したところ、障害認定日の診断書の現症が抗がん剤治療開始前のものになっていました。
障害認定日の診断書「障害認定日から3か月以内を現症とするもの」となっておりますが、3か月以内のいつにしないといけないかまでは特に決められておりません。
Pさんは障害認定日3か月以内に再発による抗がん剤治療を始めていましたので、抗がん剤治療開始後のよりしんどい時期を現症として診断書を書いてもらえばよかったのですが、制度について不案内だったため、抗がん剤治療開始前の比較的安定していた時期を現症とする診断書を提出していました。
また、病歴・就労状況等申立書も実際のPさんの状況を表してはおらず、非常に「薄い」ものになっていました。

そこで、書類をそろえなおして再度請求を行うことにしました。
主治医に障害年金制度について詳しく説明し、障害認定日の診断書を抗がん剤治療開始後を現症とするものであらためて書いていただきました。
また、病歴・就労状況等申立書もご本人からの聞き取りを元により詳細な内容のものにしました。

結果、障害認定日にさかのぼって障害厚生年金3級が認められました。
ご自身で請求を目指してから約2年が経っていましたが、「あきらめない」気持ちを持ち続けたことにより支給になったと思います。

がんで障害年金を請求する場合、タイミングがとても重要になります。
そのことを強く感じたケースでした。


Gさん
「広汎性発達障害」
障害厚生年金2級

初診前の状況についても詳細に聞き取りを行うことでサポート

Gさんのご家族から依頼を受けました。
Gさんは成人後かなりたってから精神科にて初診を受けられました。
知的障害がないため20歳以降の初診による請求となりました。

「広汎性発達障害」や「自閉症スペクトラム障害」では、初診以降の状態だけでなく、それ以前の「発育・養育状況」「就学状況」「対人関係」「職場での状況」などにおいて、その特性によりどの程度障害をきたしてたかを証明することが重要になります。

そのため、Gさんご本人およびご家族から生活歴等について時間をかけてしっかり聞き取りを行い、診断書依頼の際に、主治医宛に参考資料として提出しました。
また、当時就労されていましたが、それが就労継続支援B型事業所での就労であり、就労時間・日数が制限されていることや、業務内容が限られていることなど、実際の就労状況についても文書にて説明しました。

出来上がった診断書を見ると、そうした情報が反映されたと思われる個所も少なからずありました。
結果は、障害厚生年金2級となりました。

一概に比較はできませんが、障害年金を請求する半年ほど前に、Gさんはご自身で精神障害者保健福祉手帳の申請をされておりましたが、手帳の等級は3級でした。

今回、障害年金2級を取得できたのは、社労士の情報提供によりご本人の日常生活能力や労働能力が主治医により正しく伝わったことも寄与しているのではないかと考えます。


Wさん
「双極性障害」
障害厚生年金2級

初診日の証明をサポート

Wさんの初診日は20年以上前でした。
これまで何度か転院しており、初診日のある医療機関の「Tクリニック」もすでになくなっていました。

初診日が証明できなければ、障害年金の請求自体行えない。
Wさんはどうしていいかわからず、当事務所に相談がありました。

「Tクリニック」についてインターネットで調べましたが、手がかりになるような情報は全く得られませんでした。
地元の医師会に問い合わせたところ、「Tクリニック」は現在「S診療所」と名称変更して存在することが判明しました。

「S診療所」に問い合わせたところ、Wさんのカルテはすでに破棄されていましたが、患者データは残っており、「名前」「初診日」「最終受診日」はわかりました。
そこで、まず現存する情報で「S診療所」に受診状況等証明書を書いてもらいました。
しかしそれだけでは初診日証明としては不十分と考え、これまでの転院先にカルテが残っていないか、そしてそのカルテに「Tクリニック」(現S診療所)の受診歴についての記載がないかを確認しました。

結果、4番目の医療機関にまだカルテが残っていることが判明しました。
カルテ開示を行い確認すると、初診時のカルテに「〇年〇月にTクリニックを初診した」との記載がありました。
4番目の医療機関の初診は10年以上前なので、初診を証明する証拠としては十分なものとなります。

初診日を証明する資料として「Tクリニック」(現S診療所)の受診状況等証明書の他に、4番目の医療機関のカルテのコピーも添えて年金事務所に提出しました。

無事、初診日も認められ、障害厚生年金2級の支給決定となりました。

初診日が証明できずに困っているケースは多くあると思います。
諦めずに社労士に相談すれば何らかの方法が見つかることをあらためて感じたケースでした。


Fさん
「非定型精神病」
障害基礎年金2級

「病歴・受診状況等申立書」の作成をサポート

Fさんは、ご家族の協力も得ながら、なんとか「受診状況等証明書」と「診断書」を取得しました。
その後、「病歴・就労状況等申立書」を書こうとしましたが、「何をどう書いていいかわからない」ため、頓挫してしまいました。
診断書の有効期間である3か月が経とうとする中、自分ではどうしていいかわからず、家族に促され社会保険労務士に依頼することにしました。

大阪府社会保険労務士会からの紹介で当事務所に依頼がありました。

診断書の期限が切れるまで残り8日でした。

すぐにご本人ご家族と面談し、「申立書」作成のために詳細な聞き取りを行いました。
ご本人ご家族は、「働いているから障害年金はもらえないと思うが、ここまでやったので請求だけはしたい」とのことでした。

主治医の「診断書」には、「就労はしているが、集中力が低下し、効率的に作業を行うことができず、ますます意欲が減退してしまう状態」との記載がありましたので、「就労により状態が悪化している」ことをより詳しく「申立書」で説明すれば、「支給の可能性は十分にある」と感じました。

ご本人ご家族には、「働いている=障害年金がもらえない」ではないことを説明し、病歴の他に、就労も含めてどのように支障があるのか、就労によりどのような支障(症状)が日常生活上出ているのかなどについて詳しく聞き取りました。
また、これまでも「就労→再発」を繰り返されていたことがわかったので、そのことについてもひとつひとつ丁寧にエピソードを拾っていきました。

上記聞き取りを元に、「病歴・就労状況等申立書」の下書きを作成し、再び、その下書きを元にさらに細かい聞き取りを行いました。

なんとか、期限に間に合い、「病歴・就労状況等申立書」も含めて必要書類を年金事務所に提出することができました。

結果、「障害基礎年金2級」の支給となり、ご本人ご家族にもとても喜んでいただきました。

障害年金の側から見れば、「働いていても障害基礎年金2級が受けられるケース」となりますが、ご本人の側から見れば、「障害基礎年金2級を受けていても頑張って働いているケース」と言えると思います。


Cさん
「拡張型心筋症」(CRT-D装着)
障害基礎年金2級

年金事務所で説明を受けあきらめかけていたケースをサポート

Cさんは拡張型心筋症にてCRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)を装着されました。
「障害年金に該当するかも」と思い、年金事務所に聞きに行きましたが、
年金事務所では、「非該当」と言われました。

Cさんは、初診日は国民年金に加入していました。
したがって、障害年金を受けるためには、障害の状態が1級か2級に該当しなければなりません。
しかし、年金事務所では、「ペースメーカーは3級なので、非該当になります」と言われました。
年金事務所の窓口の方はCRT-Dをペースメーカーだと思ったようです。
また、Cさん自身もペースメーカーとはCRT-Dのことを指すのだと思っていました。
結果、「障害年金は受けられないのだ
」と思い、障害年金の請求を一旦あきらめました。

そのことをたまたま人に話したところ、「社労士に相談してみたら」と言われました。
実際、Cさんは日常生活で常に息苦しさを感じ、行動がかなり制限されていました。

ポルタ・ペルタ主催の障害年金セミナーに参加され、個別相談を受けました。

個別相談の中で、Cさんが装着しているのはペースメーカーではなく、CRT-Dであることが判明しました。
CRT-D装着は2級の可能性があることを説明したところ、障害年金の請求を希望され、依頼を受けました。

結果、「障害基礎年金2級」の支給となり、ご本人にとても喜んでいただきました。

ちょっとした勘違いで障害年金の請求をあきらめてしまっているケースが意外と多いのではないかと感じました。
あきらめてしまう前に、「障害年金専門の社労士に相談する」という選択肢を持っていただければ、Cさんのように支給のチャンスが出てくるかもしれません。


Yさん
「うつ病」
障害基礎年金2級

詳細な聞き取りを行い診断書作成をサポート

Yさんは役所の人から障害年金のことを聞きましたが、請求手続きが複雑でためらっていると、「社労士が手伝ってくれますよ」と言われ、当事務所に依頼されました。
ご本人は対人コミュニケーションに苦手さを感じ、過度に緊張してしまうなどのため、「自分の考えを伝えられない」ということでした。
そのため、これまでの主治医の診察でも自分の症状や状態について十分に説明できていないとのことでした。

こうしたケースでは、そのまま何もせずに主治医に診断書作成の依頼をすると、実際のご本人の状態や状況とは違った内容の診断書が出来上がってしまうことがあります。
実際の生活では「できていない」ことでも、主治医の推測で「できている」と書かれることがあり、結果として、「障害の状態にない」と日本年金機構に判断され非該当となってしまう可能性があります。

そうしたことを避けるためには、ご本人の状態や状況を主治医に十分に知っていただいた上で診断書を作成してもらう必要があります。
そのため、ご本人、ご家族に時間をかけて事前に聞き取りを行い、これまでの生活歴や病歴、生活上の支障などについてレポートを作成し、診断書作成依頼の際に主治医に提出しました。主治医にも「詳細に書かれていますね」と言っていただき、その内容が診断書にも反映されたと考えます。

結果、「障害基礎年金2級」の支給となり、ご本人ご家族にもとても喜んでいただきました。

レポート作成にあたっては、これまで精神保健福祉士として医療機関に勤務し、毎日患者さんから聞き取りを行っていた経験を活かすことができました。


Kさん
「慢性腎不全」(人工透析)
障害厚生年金2級

初診日を特定し社会的治癒が認められるようサポート

Kさんは中学生の時に「慢性腎炎」にて治療を受けていた期間がありました。
20歳
で一旦治療が終了となり、その後、20年近く大きな健康上の問題もなく、会社勤めをしていました。
30代後半で「腎性高血圧症」を発症し内科を受診。以後、「慢性腎不全」との診断にて治療を受けられておりました。

40代後半で人工透析開始となりました。

身体障害者手帳を取得した際、役所の窓口で障害年金のことを知りました。
役所の窓口では「20歳前障害」の説明を受け、まずは初診日を証明する必要があると言われました。
しかし、中学生時の初診日の医療機関は既に存在しておらず、どのように初診日を証明したらいいのかわからず行き詰ってしまいました。

そこで当事務所に依頼がありました。

Kさんには、次のことを説明しました。
①初診の医療機関が存在しなくても初診日の証明の方法があること
②長期間にわたって医療機関にかからず勤務を継続していた場合、「社会的治癒」があったものとして、「20歳前障害」ではなく、30代後半を初診として請求できる可能性があること
③「社会的治癒」が認められた場合、初診日が厚生年金保険加入中となるため、それまで払っていた厚生年金保険料が反映されること

Kさんからは「社会的治癒」があったものとして障害年金を請求したいとの希望があり、その方向でサポートさせていただくこととなりました。

30代以降にKさんが受診した3つの医療機関にカルテ開示を行い、Kさんの治療歴を詳細に調べました。
それを現在の主治医に報告し、その中で再発後の初診日を特定してもらいました。また、「社会的治癒があったと考えられる」との見解も文書にていただきました。
同時に勤務していた会社にも「入社以来、再発までの間、健康上問題なく勤務できていた」旨の文書を書いていただきました。
「社会的治癒」の証明として、上記の2つの文書を年金事務所に提出しました。
また、「病歴・就労状況等申立書」にも、「社会的治癒」にあったと考えらる期間、どのように問題なく勤務に就くことができていたかを詳細に記載しました。

結果、「社会的治癒」が認められ、「障害厚生年金2級」を受けとることができました。

内部疾患では社会的治癒の証明が困難なことが多いですが、一つ一つ丹念に資料を集め、主治医にも医学的見解を示していただいたことで、社会的治癒が認められたと思います。